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Four Color / LETTER OF SOUNDS
Four Color / LETTER OF SOUNDS

Four Color

日本を代表するエレクトロニカアーティスト杉本佳一によるソロ・プロジェクトである。これまでのラップトップに重点を置くよりもギターのディレイやリバーブのアンビエンスを重視したサウンドがこのプロジェクトの特徴だ。ただし、ポップさが前に出ているので、エレクトロニカを知らないリスナーにも聴き易いだろう。

moonlinxでも彼の音楽を聴くことが出来る。
https://moonlinx.jp/#1173870097367_item_1173870415979から。



日本でもエレクトロニカは人気で、無数のアーティストが存在するが、以前から言っているように、エレクトロニカは作曲し、完成度を高めるにはかなり敷居の高いジャンルである。

そもそものこのジャンルの出自が、音楽理論を知らない、コンピュータマニア達の感性と偶発性による産物だからだ。
そしてAPHEX TWINがもたらした、他のジャンルと接合しそうで接合しない距離感、いわば「隣接する」と言ったほうが正しい、幅の広い音楽性を持つ特性。

この感性と偶発、そして歴史の産物こそがいままでにない、感覚であったためにエレクトロニカは新しい価値観として、とてもエキサイティングな音楽として成長していく。

当然、一躍新しい音楽として、ポストテクノとして注目され始めたこのジャンルに、他のジャンルのミュージシャン達も参入し始める。だが、それが逆にいまの飽和感を生んだと言っていい。

あるマイナージャンルがいきなり注目を集めるときにはこのように必ず様々な人間が関与してくる。だが、たいてい陥るのは本質を見据えず、表層的な真似事で終わるところだ。


エレクトロニカでもそれが顕著に現れている。
第一に挙げられるのは、「クリック音の採用」だ。
"クリック音を入れれば、エレクトロニカになる。"この安易なアプローチがエレクトロニカ作品の乱発にもつながってきたのだ。

しかし、エレクトロニカの真髄は上記ではないのはこれを読んでいる読者もお分かりだろう。

「音楽理論がない音楽」で、かつアンビエント、ニューエイジ、ノイズ、テクノ、現代音楽、フォーク、ヒップホップのジャンルに「隣接」する部分を持ち合わせていること。

メロディはポップス的でもなくニューエイジ的でもないが、大衆性を帯びている。
ノイズ的でもあり、ミニマリズムというモダンな美的感覚を有する・・。
あげればキリがない。

これをどこまで理解しているのかがポイントとなる。

日本のエレクトロニカシーンでも本質を知り、活動しているアーティストはいるが、やはり他ジャンルからの参入が圧倒的に多い。それはそれでいいのだが、やはりクリック音だけの表層的な採用が目立ち、目新しさがないのが現状だ。

さらに物足りないのは、エレクトロニカと名乗りながら、どうしても音楽理論に縛られている楽曲が多いのである。他ジャンルからの安易な参入の弊害はまさにここにある。そこにずば抜けたものがあればいいが、いまのところは単なるポップスやその他のジャンルの焼き直しがそこで行われているだけなのだ。これではとてもわくわくしない。

感性だけで作り上げられこれまでにない常識の楽曲が誕生する・・・最もエキサイティングな事象はどうやらどこか闇の彼方へ葬り去られてしまったようだ。

そういう意味でも、この作品の重要性がより増してくる。

この作品は、12Kから発売されたもの。やはりエレクトロニカ独特の研ぎ澄まされたミニマリズムに起因する、美しい音が奏でられる。アブストラクトであり、且つ繊細な映像を想像させる音楽は、先ほどの述べたようなテクノ、フォーク、ノイズ、アンビエントなどのジャンルに隣接する要素を多分に含みつつも、オリジナルな楽曲として存在させる、という際立ったバランス感覚が圧巻である。7曲目「LEAVES」の最後の警報のようなエフェクト音は前衛的ながらも、それまでの楽曲の構成より、楽曲の一部として自然に感じることができる。表層だけの真似事を行っているミュージシャンでは到底できない芸当だ。

杉本佳一の動向には注目せざるを得ない。エレクトロニカやIDMの本質を理解する彼こそがこのシーンの最大の良心であろうから。

| ポストクラブミュージック/日本 | 12:06 | comments(1) | trackbacks(0) |